淫らな写真も…泥酔客から10億円荒稼ぎ “不夜城”巣食うナイジェリア人ら

【衝撃事件の核心】

 「不夜城」に巣くうナイジェリア人らのグループは組織的かつ巧妙に泥酔客から暴利をむさぼっていた。東京・新宿歌舞伎町の飲食店で客を酒に酔わせてキャッシュカードを奪い、現金を引き出したとして、警視庁組織犯罪対策2課は昨年12月、強盗などの疑いで、ナイジェリア国籍の経営者ら男女9人を逮捕、起訴した。強引な客引きで店に連れ込み、6年間の被害額は10億円を超えるとみられる。古典的な手口だが、被害者の大半が酒の力で記憶を失い、被害届が出されぬまま発覚を免れていた。(大島悠亮、中村翔樹)

 ■1時間5000円のはずが…目覚めたらラブホテル

 昨年10月中旬の深夜。平日であっても人通りが絶えない「不夜城」歌舞伎町で、三重県からスカイツリー観光に来ていた男性会社員(33)は、その日の宿泊先を探していた。

 「1時間5000円で飲み放題だよ」

 突然、腕をつかまれ、片言の日本語で白い歯をのぞかせながら話しかけてきたのは、屈強な体格の黒人の男数人。

 「5000円ならいいか」

 こう思った男性は手を引かれるままに女神像が入り口で出迎える古びたビルの7階に吸い込まれた。

 店内は薄暗く、革張りのソファが数席あった。客1人に対してホステスが1人で対応している。自分の後にも、男性3人が入ってきた。自分の横には30代と思われる日本人とフィリピン人の女2人が座った。最初はビールを頼んだ。

 「乾杯!」

 女が酒をせがむので、その後は女の分も頼んだ。そのたびに数千円ずつ支払わされ、気付いたら財布の5万円は空っぽに。従業員の黒人の男に近くのコンビニ店に連れて行かれ、現金自動預払機(ATM)で預金3万円を下ろさせられた。

 再び店に戻って飲み進めるうちに、いつの間にかウオツカのボトルがテーブルに置かれたような気がしたが、その前後の記憶がほとんどない。目を覚ましたのは翌日の昼ごろになってからで、見知らぬラブホテルのベッドの上だった。

 ■暗証番号を盗み見…酔いつぶれたすきに預金を引き出し

 男性は改めて財布を確認したが、お札は1枚もなかった。声をかけられたときの10倍以上の金額を支払わされ、瞬時に「やられた…」と思ったが、被害はそれだけでは済まなかった。しばらくすると、携帯電話が鳴った。相手は警視庁組対2課の捜査員だった。

 「何か盗まれていないですか」

 店が入るビル周辺の防犯カメラに、千鳥足の男性が従業員の女2人がかりでタクシーに乗せられる様子が映っていたとのこと。財布にキャッシュカードはあったが、預金残高を確認すると、60万円が勝手に引き出されていた。

 店で酔いつぶれたすきにカードを奪われたらしい。暗証番号は最初にATMで預金を下ろしたときに盗み見られたようで、実際、ATMの防犯カメラにも男性が正確に操作できるように、黒人の男らが肩を抱える様子が映っていた。

 組対2課はこれらの映像を元に12月、強盗と窃盗容疑で、ナイジェリア国籍、飲食店「VEGAS(ベガス)」経営、ンゼリベ・エヴァン被告(42)ら男女9人を逮捕、起訴。その後、再逮捕した。いずれも容疑を否認している。

 ■被害届出されず…みだらな写真を隠し撮り

 捜査関係者によると、ンゼリベ容疑者らは客の腕をつかむなど強引な客引きをするグループとして、歌舞伎町内でも知られていた。平成18年ごろの営業開始当初から、同様の手口でカネを盗んでいたとみられ、被害総額は10億円を超えるとみられる。

 組対2課は「歌舞伎町で強引な客引きで荒稼ぎしている店がある」という情報を把握していたが、被害届が出ておらず、捜査に着手できなかった。被害者に事情を聴いても大半が「酔っ払っているうちに金を多く使ってしまったと思っていた」と話したという。

 ベガスの家宅捜索では、被害者がホステスの胸を触ったり、うずくまったりしている写真が十数枚押収された。捜査幹部は「不審に思った客が店に押しかけてきても、『あなたはこんなにいやらしいことをした』と言い返すために用意していたのだろう」とみる。

 こうした手口はンゼリベ容疑者が指示し、役割分担をしながら犯行に及んでいたとみられる。売上金の大半はンゼリベ容疑者にわたっていたとみられるが、「店の運転資金に回していた。従業員の給料を支払うことで精いっぱいだった」などと供述している。

 ■日本人女性と結婚…売上金は母国、暴力団に

 捜査関係者によると、ンゼリベ容疑者は13年10月に入国。14年10月には日本人女性と結婚し、永住権がある。ベガスの名義は妻だった。逮捕された10人にはナイジェリア人のほかにロシアやフィリピン国籍の男女がおり、一部は日本人と結婚していた。

 日本を訪れるナイジェリア人男性の多くは、入国直後に六本木や池袋など同胞が多く住む場所に流れ込むとされる。日本人女性とはクラブなどの飲食店で知り合い、「自分はアメリカ人だ」などと国籍を偽って関係を持つという。

 捜査関係者は「外国人にとって日本人配偶者を得ることは最優先課題。そのためには女性に優しく接するなどあらゆる手を使う」と指摘。「子供をもうけるなど、既成事実ができてしまえば、『実はナイジェリア人』と明かしても関係は壊れない」と説明する。

 歌舞伎町周辺で客引きをしているナイジェリア国籍の男性(31)によると、ンゼリベ容疑者のように繁華街で飲食店を経営するナイジェリア人の多くが妻を店の名義人にしている。売上金は母国に送金するほか、一部は暴力団に流れているケースもある。

 男性は客引きだけでなくバーテンダーやホステスのスカウトもしているという。給料は歩合制で、特定の店舗には所属せず、ナイジェリア人同士のネットワークで仕事を受注する。商売道具の携帯電話を3台持ち、取材中もひっきりなしに着信があった。

 「もしもし、○○に午後7時までに女の子5人ちょうだい」

 「そこの君、ちゃんと働く気があるなら、いいところ紹介するよ」

産経新聞 1月3日(木)19時21分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130103-00000531-san-soci

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